PROJECTS HUSKYLENSmicro:bit micro:Maqueen V4.0への取り付け
DFRobot
Mar 15 2020 260357

HUSKYLENS(AI Vision Sensor)を、micro:Maqueen V4.0に取り付けてAIカーを作る手順を紹介します。なお、HUSKYLENSのおおまかな全体像は「付録3-19.HUSKYLENS(AI Vision Sensor)」で紹介しています。
13-4-1.HUSKYLENSとmicro:Maqueen V4.0でAIカーを作る
HUSKYLENSは、外部と接続するためのインタフェースとしてUART/I2Cポートを備えているので、micro:bit・Arduino・Raspberry Piなどの小型コンピューターと接続することができます。認識したターゲットのサイズや座標をリアルタイムに取得できるので、自律走行するロボットカーや、顔やジェスチャーに反応するインタラクティブなアプリケーションを開発できます。
HuskyLens can connect to Arduino, Raspberry Pi, LattePanda, or micro:bit
micro:bitとの接続HUSKYLENSには「Gravity 4ピンセンサーケーブル」という4色のケーブルが同梱されていますが、コネクターの形状が異なるため、そのままmicro:bitと接続することができません。また、micro:bitの周辺装置としては、比較的消費電力が大きいため、HUSKYLENSへ安定した電力供給が必要となります。電力不足になると、HUSKYLENSが再起動を繰り返すなど不安定な動作となります。
これらの問題を解決するのが、micro:bitに取り付けて使う「拡張ボード」と呼ばれる基板です。拡張ボードには、さまざまな周辺装置と接続可能なインタフェースや安定した電力供給ができる電源、LED・ブザーなどの機能が備わっています。ただし、選択する拡張ボードによって、搭載するインタフェースや機能の種類や数が異なります。
micro:Maqueen V4.0との組み合わせ
サヌキテックネットでは、いくつかの拡張ボードを試しながら、HUSKYLENSが安定して動作する組み合わせを探したところ、micro:Maqueen V4.0(電源管理モジュール搭載版)との相性が抜群にいいという結果となりました。
図13-4-1-1.HUSKYLENSを使ったAIカー(前面)
micro:Maqueen V4.0は、二つの駆動輪を搭載した、いわゆるプログラミングロボットカーなのですが、拡張ボード並みのインタフェースを備え、HUSKYLENSに同梱されているGravity 4ピンセンサーケーブルで接続できます。また、HUSKYLENSに同梱されているブラケットを使って、比較的容易に取り付けることができます。
図13-4-1-2.HUSKYLENSを使ったAIカー(背面)
AIカーの誕生
HUSKYLENSとmicro:Maqueen V4.0を組み合わせることで、AI Vision Sensorを備えた二輪のAIカーを比較的簡単に作ることができます。もちろん動作にはプログラミングが必要ですが、HUSKYLENSに搭載された6つのAIアルゴリズムを使って、自律走行するAIカーの開発が楽しめそうです。
13-4-2.準備するもの
HUSKYLENSと同梱物
AIカーの目となるHUSKYLENS本体です。HUSKYLENSは「付録3-19.HUSKYLENS(AI Vision Sensor)」で詳しく紹介しています。
図13-4-2-1.HUSKYLENS
HUSKYLENSに同梱されている2種類のブラケット・Gravity 4ピンセンサーケーブル・M3ネジ(4本)です。
図13-4-2-2.HUSKYLENSの同梱物
HUSKYLENS用シリコンケース
HUSKYLENSを保護するためのシリコンケースです。AIカーの走行時、転倒したり衝突による衝撃を和らげ、HUSKYLENSが破損するリスクを軽減するために用意しておいたほうがいいでしょう。三角の耳がついたカッコいいイヌ型のケースです。
図13-4-2-3.HUSKYLENS用シリコンケース
micro:Maqueen V4.0とmicro:bit
micro:Maqueen V4.0は、独立した二つの駆動輪を持つSTEM教育用のプログラミングカーです。micro:bitを搭載することで、駆動輪などをプログラミングで制御することができます。標準では、超音波センサーを搭載していますが、AIカーでは使用しません。また、電池ボックスは、後述の電源管理モジュール(リチウムイオン電池ホルダー)に付け替えます。
図13-4-2-4.micro:Maqueen V4.0とmicro:bit
micro:Maqueen V4.0用電源管理モジュール
micro:Maqueen V4.0用の電源管理モジュール(リチウムイオン電池ホルダー)です。リチウムイオン電池の充電機能を搭載しています。micro:Maqueen V4.0の電池ボックスと付け替えて使用します。
図13-4-2-5.micro:Maqueen V4.0用電源管理モジュール
六角スペーサー(M3)
M3サイズの六角スペーサー(2本)です。HUSKYLENSのブラケットとmicro:Maqueen V4.0を繋ぎます。長さは、10mm~30mm程度のものを用意します。下図は15mmのものです。
図13-4-2-6.六角スペーサー(M3)
13-4-3.micro:Maqueen V4.0への取り付け手順
電源管理モジュールの取り付け
micro:Maqueen V4.0の電池ボックスを取り外して、電源管理モジュール(リチウムイオン電池ホルダー)を取り付けます。
図13-4-3-1.電源管理モジュールの取り付け(1)
電源管理モジュールに付属の六角スペーサー(4本)を取り付けます。一旦、タイヤを取り外したほうが取り付けやすくなります。
図13-4-3-2.電源管理モジュールの取り付け(2)
付属のリード線を「3.5-5.0V」と書かれたソケットに差し込みます。
図13-4-3-3.電源管理モジュールの取り付け(3)
付属のネジ(4本)で電源管理モジュールを取り付けます。
図13-4-3-4.電源管理モジュールの取り付け(4)
リード線を電源管理モジュールのソケットに差し込みます。
図13-4-3-5.電源管理モジュールの取り付け(5)
超音波センサーの取り外しmicro:Maqueen V4.0には、標準で超音波センサーが付いています。
図13-4-3-6.超音波センサーの取り外し(1)
AIカーでは、超音波センサーを使用しないので取り外します。
図13-4-3-7.超音波センサーの取り外し(2)
Gravity 4ピンセンサーケーブルの取り付け(micro:Maqueen V4.0側)HUSKYLENSに同梱されているGravity 4ピンセンサーケーブルを、micro:Maqueen V4.0のI2Cコネクターに差し込みます。基板上の「IIC」と記された4ピンのコネクターです。下図のように、Gravity 4ピンセンサーケーブルの「赤・黒・青・緑」を差し込みます。ピンアサインは「+・-・SCL・SDA」となります。
図13-4-3-8.Gravity 4ピンセンサーケーブルの取り付け(micro:Maqueen V4.0側)
HUSKYLENSの取り付け
micro:Maqueen V4.0の補助輪(前輪)を固定しているネジ(2か所)の部分にHUSKYLENSを取り付けます。
図13-4-3-9.HUSKYLENSの取り付け(1)
まず、一方のネジを外して六角スペーサーを取り付けます。外したネジは、後で使うので無くさないようにしましょう。
図13-4-3-10.HUSKYLENSの取り付け(2)
もう一方のネジを外して、六角スペーサーを取り付けます。このネジも後で使います。
図13-4-3-11.HUSKYLENSの取り付け(3)
HUSKYLENSに同梱されている高さ調整用ブラケットを、先ほど外したネジ(2本)を使って、六角スペーサーの上へ取り付けます。 図13-4-3-12.HUSKYLENSの取り付け(4)
HUSKYLENS・小型ブラケット・ネジ(2個)を用意します。
図13-4-3-13.HUSKYLENSの取り付け(5)
ネジ(2個)を使って、小型ブラケットをHUSKYLENSに固定します。
図13-4-3-14.HUSKYLENSの取り付け(6)
ネジ(2個)を使って、HUSKYLENSに取り付けた小型ブラケットと高さ調整用ブラケットを固定します。
図13-4-3-15.HUSKYLENSの取り付け(7)
Gravity 4ピンセンサーケーブルの取り付け(HUSKYLENS側)
Gravity 4ピンセンサーケーブルの他方を、HUSKYLENSのインタフェースコネクターへ差し込みます。
図13-4-3-16.Gravity 4ピンセンサーケーブルの取り付け(HUSKYLENS側)
micro:bitの取り付けmicro:bitを、micro:Maqueen v4.0に取り付けて完成です。
図13-4-3-17.HUSKYLENSを使ったAIカー(前面)
後ろから見たようすです。
図13-4-3-18.HUSKYLENSを使ったAIカー(背面)
HUSKYLENS用シリコンケースを取り付けましょう。
