独立した二つの駆動輪を持つSTEM教育用のグラフィカルプログラミングロボット「micro:Maqueen Plus」を紹介します。より高度な学びへつながる高い拡張性を備えています。
1.micro:Maqueen Plusの紹介
DFROBOTのmicro:Maqueen Plusは、独立した二つの駆動輪を持つSTEM教育用のグラフィカルプログラミングロボットです。別売りのmicro:bitを搭載することで、駆動輪などをプログラミングで制御することができます。micro:maqueen V4.0の高機能版で、より高度な学びへつながる高い拡張性を備えています。
図1-1.micro:Maqueen Plus
高い拡張性
micro:Maqueen Plusには、六角スペーサーでシャーシへ取り付けることができる金属板(拡張ブラケット)が、あらかじめ同梱されています。拡張ブラケット上には、M3サイズのネジ穴やLEGOテクニックシリーズのコネクターペグが差し込める4mm程度の穴が用意されています。同梱されている超音波センサーや、別売りのAIカメラHUSKYLENSなどを取り付けることができます。
また、シャーシの後部には、micro:bitの入出力(GPIO)インタフェース・I2Cインタフェース・サーボモーターインタフェースなどがヘッダーピンで用意されています。
図1-2.micro:Maqueen Plusの高い拡張性
LEGOテクニックシリーズのブロックとサーボモーターを使った拡張例です。
図1-3.LEGOテクニックシリーズのブロックとサーボモーターを使った拡張例
また、ホイールの大きい穴にもLEGOテクニックシリーズのコネクターペグが差し込めるようになっています。
図1-4.コネクターペグが差し込めるホイールの穴
追加された機能
micro:Maqueen Plusに新しく追加された機能をいくつか紹介します。駆動輪は、メタルギアを採用した耐久性のある強力な小型モーターによって回転しますが、新たにエンコーダーが搭載されました。これによってモーターの回転を検出することができます。
図1-5.エンコーダー
赤外線グレースケールセンサー(ライントラッキングセンサー)の数が大幅に増え、合計6つになりました。センサーの感度を較正するボタンも搭載しています。
図1-6.赤外線グレースケールセンサー(ライントラッキングセンサー)
18650型充電池が収まるバッテリーボックスと充電用回路を搭載しています。バッテリーの残量は、インジケーターLEDによって知ることができます。
図1-7.バッテリーボックス
2.micro:Maqueen Plusの機能
駆動輪(後輪)
駆動輪(後輪)は、メタルギアを採用した耐久性のある強力な小型モーターによって回転します。左右の独立した駆動輪の回転方向と回転速度を別々に制御できるので、前進・後進・左右への回転(または旋回)などが行えます。回転速度は、最大260rpmです。
図2-1.駆動輪(後輪)
エンコーダー
駆動輪(後輪)用の小型モーターには、エンコーダーが取り付けられています。これによって、駆動輪の回転を検出することができます。
図2-2.エンコーダー
補助輪(前輪)
補助輪(前輪)は、耐摩耗性に優れたPOM(ポリアセタール)素材です。自己潤滑性があるため、なめらかに回転します。
図2-3.補助輪(前輪)
ブザーとブザー切替スイッチ
切替スイッチでオン・オフできるブザーです。端子P0に接続されています。入出力(GPIO)インタフェースのP0を別の目的で使う場合は、ブザー切り替えスイッチでオフにします。
図2-4.ブザー
図2-5.ブザー切替スイッチ
RGB LED
シャーシの前部に大型のRGB LEDを2個搭載しています。左右で異なる色に点灯できます。
図2-6.RGB LED
赤外線受信(リモコン)モジュール
シャーシの前部に赤外線受信(リモコン)モジュールを搭載しています。
図2-7.赤外線受信(リモコン)モジュール
赤外線グレースケールセンサー(ライントラッキングセンサー)
シャーシの底部に赤外線グレースケールセンサー(ライントラッキングセンサー)を搭載しています。中央にある4つのセンサーで、直進用ラインを検出します。左右にある2つのセンサーで、直進用ラインと直交する右左折用ラインを検出することができます。
図2-8.赤外線グレースケールセンサー(ライントラッキングセンサー)
ライントラッキングセンサーは、環境(周囲の明るさなど)によって、ラインを検出できないことがあります。その対策として、micro:Maqueen Plusでは、検出の感度を較正するための機能(較正ボタン)を登載しています。付属のライントラッキング用マップの較正用エリアにmicro:Maqueen Plusを置いて、較正ボタンを長押しします。RGB LEDが緑色に点滅すると較正完了です。
図2-9.赤外線グレースケールセンサー(ライントラッキングセンサー)の較正ボタン
I2C(IIC)インタフェース
シャーシの後部にI2C(IIC)インタフェースを搭載しています。電圧の異なる2種類(3.3VとVCC)の端子があります。
図2-10.I2C(IIC)インタフェース
入出力(GPIO)インタフェース
シャーシの後部に入出力(GPIO)インタフェース(P0・P1・P2・P8・P12・P13・P14・P15)を搭載しています。電圧は3.3Vです。
図2-11.入出力(GPIO)インタフェース
サーボモーターインタフェース
シャーシの後部にサーボモーターインタフェース(S1・S2・S3)を搭載しています。電圧はVCCです。
図2-12.サーボモーターインタフェース
バッテリーボックス
18650型充電池が収まるバッテリーボックスを搭載しています。プラス(+)とマイナス(-)の向きを間違えないように注意します。バッテリーボックス内に「+」と「-」の刻印があります。充電池の残量は、バッテリーボックスの右側にあるインジケーターLEDで知ることができます。
図2-13.バッテリーボックス
充電用回路を搭載しています。シャーシの後部にあるUSBコネクターを使って充電します。充電中は赤色のLED、満充電になると緑色のLEDが点灯します。
図2-14.充電用USBコネクター
エッジコネクター
micro:bitを差し込むエッジコネクターです。
図2-15.エッジコネクター
拡張ブラケット
シャーシに取り付ける金属板で、M3サイズのネジ穴やLEGOテクニックシリーズのコネクターペグが差し込める4mm程度の穴が用意されています。同梱されている超音波センサーや、別売りのAIカメラHUSKYLENSなどを取り付けることができます。
図2-16.拡張ブラケット
超音波センサー
拡張ブラケットに取り付けることができる超音波センサーが同梱されています。距離を測定することができます。
図2-17.超音波センサー